経口補水液とスポーツドリンクの違い
2024年08月16日
今日のテーマは「夏場の水分補給」についてです。毎日暑い日が続き、水分補給の重要性がますます増しています。今回は、経口補水液とスポーツ飲料の違いを詳しく解説しながら、適切な水分補給方法をお伝えします。
経口補水液とスポーツ飲料の違いとは?
夏の水分補給として、経口補水液やスポーツ飲料を思い浮かべる方も多いでしょう。これらはどちらも脱水時や熱中症対策に用いられる飲料ですが、その成分や用途は大きく異なります。
まず、経口補水液は、病者用に設計されたもので、脱水状態にある体に素早く水分とミネラルを補給するために作られています。これは、元々コレラ患者の治療として始まった「経口補水療法」が基になっており、ナトリウムやカリウムが高濃度で含まれているのが特徴です。
一方、スポーツ飲料は、運動後の水分補給を目的とした飲料で、日常的に喉が渇いたときに飲むことができます。成分としては、ナトリウムやカリウムが経口補水液よりも低濃度ですが、飲みやすさを重視するために糖分が多く含まれている点が特徴です。
含有成分の比較
具体的に成分を比較してみましょう。
ナトリウム(100mLあたり)
- ポカリスエット: 49mg
- アクエリアス: 40mg
- OS-1: 115mg
カリウム(100mLあたり)
- ポカリスエット: 20mg
- アクエリアス: 8mg
- OS-1: 78mg
経口補水液であるOS-1は、スポーツ飲料に比べてナトリウムもカリウムも圧倒的に高濃度です。これらのミネラルが大量に含まれているのは、脱水症状を起こした際に必要となる量に応じて作られているからです。
経口補水液とスポーツ飲料の使い分け
熱中症や脱水症状が疑われる場合には、経口補水液が効果的です。ただし、普段から予防的に飲むものではありません。ナトリウムやカリウムの過剰摂取は、腎臓や血圧に負担をかける可能性があるため、使用には注意が必要です。
一方、日常の水分補給には、スポーツ飲料が適していますが、糖分が多く含まれているため、飲み過ぎには注意が必要です。500mLのアクエリアスには角砂糖7個分、ポカリスエットには9個分の砂糖が含まれています。
水分補給のベストなタイミング
大切なのは、体調や状況に応じた適切な水分補給です。汗をかいた際には、すぐに水分とミネラルを補給することが重要ですが、普段から過剰に摂取することは避けるべきです。体は貯め込むことができないため、必要なときに必要な分だけを補給することがポイントです。
また、暑さの判断は気温だけでなく、「暑さ指数=WBGT(湿球黒球温度)」という総合的な指標も参考にすると良いでしょう。WBGTが31を超えると運動を控え、できるだけ涼しい室内で過ごすことが推奨されます。
まとめ
最後に、水分とミネラルの補給は、脱水症状や熱中症予防に欠かせないものです。特に経口補水液は、脱水時の緊急対策として有効ですが、日常的な予防には適していません。これからも暑い日が続きますので、適切な水分補給を心がけて、健康に過ごしていただければと思います。